通山川の砂防ダム再度要望

これまでの経緯

　地元関係者の方々から提出された友安川改修工事に関する陳情を採択したのが平成２６年。陳情採択後の対応として、当時、日出町議会は大分県に対し、友安川改修（未改修３００ｍ区間）はもとより、土砂災害特別警戒区域内の事業として計画されていた通山川砂防ダムの早期着工を強く要請しています。その後、平成２８年に地元説明会の開催、平成３０年には建設予定地の境界立ち会いと事業は進行しましたが、工事用道路のルート選定が難航。４年あまり休止状態の後、ようやく、令和５年５月、再度、別府土木事務所により地元説明会が開催されています。　
　その後、私自身、総務産業委員会主催の日出町区長会役員会との意見交換会の開催を前に、令和５年１１月２７日、別府土木事務所に単身で伺い、河川砂防課長および砂防班職員とこれまでの経過や今後の見通しを協議。その際、工事用道路のルートを変更し、早期着工していただくよう、再度、要望をしています。その結果、とりあえず、令和６年度には「工事用道路検討」という名目で４５０万円の予算が計上され、４本のアクセスルートが検討されています。

　今回の別府土木事務所長の説明では「当該箇所は、保全対象４５５戸、要配慮者施設（病院）、地域防災計画に位置づけられた避難所（小学校・公民館）、および国道１０号、ＪＲ日豊本線など重要交通網を含む土石流危険渓流である。また、本渓流内には、渓岸浸食による多量の土砂や巨石が点在し、倒木等により流域の荒廃も進行しており、近年の集中豪雨による土石流災害の危険性が懸念され、地元要望も強いことから、早急に対策を講じ、人家などの保全を図る必要があると認識している」とし、令和７年度の予算計上はできなかったが、引き続き、検討していくということです。

砂防ダム建設と河川改修の早期実施を

　砂防ダム建設にかかる費用は、ダム本体（堰堤幅１００ｍ）の工事費が概算で５～６億円、工事期間は５年ほど（１級土木施工管理技士の資格持ってます）かかると考えています。私は、これまで、工事用道路を上流側農道からアクセスするルートをとるよう要請してきましたが、実は、そうすると工事用道路だけで砂防ダム本体工事と同じくらいの費用がかかります。しかし、もし、当局が巨額の費用を要することを理由に事業を休止するようなことを検討しているのであれば本末転倒。私は、当該地域住民の皆さんの安心・安全を考えれば、それに見合う事業効果は十分に期待できると考えています。状況は異なりますが、私たちは、令和３年７月に発生し、２７人の尊い命が犠牲となった熱海市の土石流災害（７２時間降水量５００ミリ超）を忘れてはいけません。また、いつ「日出町は災害が少ないまち」が伝説となり、異常気象による豪雨に見舞われるかもしれません。そんなことが頭を駆け巡るなか、最後に、再度、土木事務所長に対して早期着工を強く要望し、長時間にわたる事業概要説明会を終えました。