農業・漁業の振興と企業誘致

1.農業の6次産業化
2.農地の集約化の推進

3.基盤整備による担い手支援

7.大型商業施設と文化ホール

■ 開発構想の発端 ― 町長発言の整理

令和6年8月、安部町長は就任直後の報道取材において、企業誘致の第一候補地として「川崎工業団地」ではなく、藤原の日出インターチェンジ周辺を挙げました。
続く9月定例会本会議では、同地について「企業誘致・大型商業施設・宅地開発に適した土地」であり、開発可能面積は約10万㎡、中心となる区画は約7万㎡、地権者は20~30人程度と、より具体的な数字を示して発言されました。

■ 数字を伴う発言が持つ影響と、議会での指摘

私は当時、町長の発言が報道を通じて独り歩きするおそれがあること、また地元や関係者への影響が小さくないことから、次の点を指摘しました。

  • 開発予定地の多くは第1種農地であり、企業進出には町による調整、農地転用、用地取得などの支援が不可欠であること
  • 多額の事業費を要する大規模開発であり、就任直後の段階で、地権者や議会へ十分な説明ができる状況ではないこと
  • 具体的な面積や場所を先行して示すことで、地元地権者の混乱を招くおそれがあること

これに対し、町長からは「今後は発表内容に慎重を期し、誤りがあれば訂正して対応する」との答弁がありました。

■ 現状認識 ― 構想の中身は見えていない

あれから1年以上が経過していますが、現時点では、基本構想や事業の方向性が明確に示されていません。
町長の発言が、どこまで具体的な検討に基づくものなのか、また、どこまで裏で調査や調整が進んでいるのかは、正直なところ見えていないのが実情です。

一方で、具体的な面積や区画数といった数字が示されている以上、町長が就任以前から一定の問題意識や構想を持ち、検討を重ねてこられた可能性もあると受け止めています。
だからこそ私は、この発言を単なる先走りとして切り捨てるのではなく、**「もし、そうした構想があるのであれば、町として、より良い形に磨き上げるべきだ」**という立場で、このテーマに向き合っています。

■ 民間投資との接点 ― ハーモニーランドとの相乗効果

この議論を進める上で見逃せないのが、ハーモニーランドの存在です。
日出町には全国的な集客力を持つハーモニーランドがあり、現在、運営会社であるサンリオエンターテイメントによる**初期投資100億円規模のリニューアルを伴う「リゾート化計画」**が進行しています。

ハーモニーランドは、日出インターチェンジから約2キロメートル強の距離にあり、インター周辺の開発が実現すれば、観光・商業・交流の面で大きな相乗効果が期待できます。
民間がこれだけの規模で動き出している今こそ、町としても将来を見据えた戦略的な判断が求められていると考えます。

■ 私の提言 ― 商業施設と文化ホールを核とした拠点づくり

以上を踏まえ、私は、日出インターチェンジ周辺を単なる企業誘致の場にとどめるのではなく
大型商業施設の誘致と、町民文化ホール(小・中規模)を併設した複合的な交流拠点として整備することを提言します。

商業施設は、町内農産物や水産物の直販・加工・販売を通じて、農漁業の6次産業化を後押しし、新たな雇用と収益を生み出します。
また、観光客や交流人口の受け皿となり、町全体の経済活性化につながります。

あわせて整備する文化ホールは、コンサートや演劇、地域イベントなど、町民が日常的に文化に触れ、発信できる拠点となり、商業機能との相乗効果によって、にぎわいと文化の循環を生み出します。

■ 実現に向けて ― 丁寧な合意形成と制度活用を

もっとも、このような事業を進めるには、地権者や地域住民の皆さんへの丁寧な説明と合意形成が不可欠です。
また、農地転用や事業者への税制支援など、国・県の制度活用も避けて通れません。特に、「地域未来投資促進法」に基づく支援措置の活用は、事業実現の大きなカギとなります。