💰挑戦する財政運営へ

「行財政改革で積み上げた町の備え 」
平成16年度 令和6年度
全基金 :8.8億円 → 44.3億円
財政調整基金:3.4億円 → 15.2億円
日出町の財政運営は、単なる節約ではなく、「未来への備え」を重ねてきた軌跡です。
3度の行財政改革と新しい発想が財政の回復をもたらしました。
そして今こそ、行財政改革の成果を町の発展のための投資や町民の皆さんの暮らしに還元し「挑戦できる財政運営」へと舵を切る好機であると考えています。
💰基金残高でみる財政状況
日出町では、将来に備えるための“町の貯金”=基金をいくつか設けています。
その中でも、景気の変動や災害など、思いがけない出費に対応するための「財政調整基金」は、町の財政を守る最も重要な基金です。
🧭 財政危機からの出発
― 第1次行財政改革―
平成16年度末、町の全基金残高は8億8千万円、そのうち財政調整基金はわずか3億4千万円しかありませんでした。
当時は、地方交付税の削減や景気低迷の影響を受け、町の財政は危機的な状況にありました。
そこで平成17年度から「第1次行財政改革」に着手。
事務の見直しや人件費削減、施設運営の効率化など、痛みを伴う改革を行った結果、平成21年度末には全基金16億3千万円、うち財政調整基金9億円へと倍増。
厳しい時期を乗り越える第一歩となりました。
📈 改革の継続と成果
― 第2次行財政改革―
続く平成22〜24年度には「第2次行財政改革」を実施。
行政サービスの効率化や公共施設の再配置などにより、平成24年度末には全基金22億円(財政調整基金11億2千万円)まで増加しました。
しかし、少子高齢化の進行や福祉関連経費の増大、デジタル化対応などで再び経常経費が膨らみ、令和元年度末には全基金17億5千万円、財政調整基金7億円まで減少。
このままでは再び財政の硬直化が進む懸念がありました。
⚙️ ふるさと納税の活用
― 第3次行財政改革―
こうした状況を受け、令和元年度に第3次行財政改革大綱(令和元〜7年度)を策定。
第1次推進プラン(令和元〜3年度)では、ふるさと納税による歳入確保や電力自由化制度の導入など、新たな収入源の確保に挑戦しました。
その成果として、令和3年度末の全基金は27億2千万円(財政調整基金11億3千万円、まちづくり基金7億円)へと回復。
続く第2次推進プラン(令和4〜7年度)ではさらなる見直しを行い、令和6年度末には全基金44億3千万円、うち財政調整基金15億2千万円、まちづくり基金12億3千万円という安定した財政基盤を築き上げました。
🌱 「まちづくり基金」
新たな財源のかたち
令和元年度以降、日出町はふるさと納税の寄附金のうち経費を除いた半額を「まちづくり基金」に積み立てています。
この基金は、令和3年3月定例会の一般質問での私の指摘により条例改正され、財政調整基金と同じように町の財源として適切かつ柔軟に使えるよう法的根拠を整えました。
そのため、本来であれば財政調整基金を取り崩す場面でも「まちづくり基金」でまかなえることで、財政調整基金と減債基金の両方を積み増す好循環を生んでいます。
この仕組みは、単にお金を貯めるだけでなく、「町の自立的な財政運営」を確立するための大きな一歩と言えます。
🚀 これからは「積極財政」へ
日出町の標準財政規模は約70億円。
財政調整基金の目標額はその20%にあたる14億円ですが、現在はこれを上回る15億円超を確保しています。
これまでの改革で「危機を乗り越える力」は十分につきました。
これからは、基金を際限なく積み増すよりも、最大20億円程度を上限に安定的に維持しながら、積極的に町の未来へ投資する時期です。
今後は、長年「財政が厳しいから」と町民の皆さんに我慢をお願いしてきた時代を終え、職員も積極的に町独自の新規事業に挑戦する文化へと転換し、町民の皆さんの「満足と誇りを育むまちづくり」を推し進めていきます。
