ふるさと納税でまち元気!

🌸ふるさと納税のしくみ
― 日出町での活用 ―
■ ふるさと納税とは
「ふるさと納税」は、“納税”という名前がついていますが、実際は自分のふるさとや応援したい自治体に“寄付”を行う制度です。
寄付額のうち2,000円を除いた全額(※所得に応じた上限あり)が、所得税・住民税から控除され、地域の特産品などの返礼品を受け取ることができます。
ふるさと納税による寄付金のうち、返礼品費やサイト運営費、送料、カード決済手数料などの経費を差し引いた約5割が、町の事業に活用できる実質的な財源となります。
■ ルールの見直しを提案 ― より透明で効果的な基金へ
日出町では、ふるさと納税の寄付金を「まちづくり基金」に積み立て、各種事業の財源として活用しています。
しかし、令和3年当時は、その運用に課題がありました。
例えば、同じ事業であっても年度ごとに充当額が大きく変動したり、前年から継続して行われている一般的な事業に多くの基金が充てられていたりと、独創的で個性的なまちづくり事業を支援するという条例の目的と大きくずれていたのです。
極端に言えば、財政調整基金の代わりに、まちづくり基金を取り崩して財源不足を補っているのが現状で、どの事業にいくら使い、翌年度にいくら残すのか、また、不用額(余ったお金)の扱いも不明確でした。
そもそも「まちづくり基金条例」は平成19年、小口の一般寄付金を扱うために制定された条例で、現在のように多額のふるさと納税を前提とした仕組みではありませんでした。
このため私は、令和3年3月定例会において次のように提案しました。
「ふるさと寄付金が、真に日出町らしいまちづくりに活かされるように」
「取り扱いに透明性を持たせ、財政調整基金との整合性を図るべき」
また、防災体制の整備や災害備蓄、新型コロナ対策など、現状では対象外の分野にも活用できるよう求めました。
その結果、令和3年12月に条例が改正。
まちづくり基金の使途に「防災・減災対策」などが追加され、以下のような、より現実的で透明性のある運用が可能となりました。
- 地域振興、情報化、国際交流の推進
- 住民福祉と健康づくりの推進
- 子育て支援の充実
- 自然・生活環境の保全
- 地場産業・観光の振興
- 防災・減災対策の推進
- 教育・生涯学習の振興
- 文化財の保護・芸術文化の振興
- まち/ひと/しごと創生寄付活用事業
- その他、町長が必要と認める事業
全国から寄せられた寄付は、暮らしを支える具体的な取り組みに生かされています。
まちづくり基金を使う令和7年度事業 👉
■ 他市町村への寄付が増えるとどうなる?
一方で、日出町の住民が他の自治体にふるさと納税をすると、本来であれば町に入るはずの税収が減ります。
ただし、この減収は「国の制度によるもの」として扱われ、国が翌年度に地方交付税で約75%を補填(残りの約25%分は実質的な持ち出し)してくれます。
したがって、町の財政面では、
👉 実質的に「(町への寄付額 × 約50%)-(他市町村への寄付額 × 約25%)」
が、町の事業に使える金額となります。
■ 寄付を“町の力”に変えていく
ふるさと納税は、単なる返礼品のやりとりではなく、
「応援の気持ちを町の未来づくりにつなげる仕組み」です。
――寄付を通じて得られる財源を、町民の暮らしの充実や将来への投資にどう生かすか――
ここにこそ、自治体の知恵と工夫が問われます。


