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令和6年度 委員会の再編と議会活性化の推進
令和6年度、私は議会活性化委員会の委員長として、多くの提案を行い、いくつかはすでに実現しました。以下は、その具体的な成果です。
- 一般質問通告書と研修報告書の書式を刷新:町民にとってより分かりやすくなるよう、見やすさと読みやすさを意識した様式に改めました。
- 委員会の別日開催による傍聴機会の拡大:定例会で開催される委員会について、所属外の議員も傍聴できるよう別日程での開催を提案・実現。
- オンライン会議の導入:議会運営委員会を皮切りに、大規模災害に備えたオンライン対応を各委員会で年1回実施することを提案・実現。
- 出前授業の実施:町内の学校で議会の仕組みを伝える授業を、教育委員会と連携してようやく実現。スライドの台本を自ら作成し、講師も務めました。
- 議場システム改修の予算確保:議会事務局・財政課と連携し、12月定例会で5148万円の債務負担行為補正予算を計上・承認。
- 議員定数の見直し:全会一致を前提とする立場から調整を重ね、最終的にほぼ全会一致を取り付け、2名減の定数14名で議決。
これらの取り組みは、議会の内外における議論の質と透明性を高める第一歩でした。しかし、私が最も重視している「決算審議の結果を次年度予算に反映させる仕組み」と「議会による政策立案・提言の制度化」については、まだ道半ばです。改選前の今年度中に、必ずその仕組みを整備し、議会基本条例および会議規則の改正までこぎ着けたいと考えています。
もっと身近な議会へ
日出町議会では、年4回(3月、6月、9月、12月)定例会を開催しています。定例会の期間はおおむね1か月間ですが、実際に議場で本会議が行われるのは「初日」「中日(一般質問が行われる2〜3日間)」「最終日」に限られています。
定例会では、まず「初日」に町長から提案される予算案や条例案(議案)を、それぞれの所管委員会(総務産業、福祉文教、予算の3委員会)に付託します。委員会では、専門的な視点から議案の内容を審議し「最終日」には各委員長から報告がなされ、その報告に対して討論を行い、最終的に議長を除く議員全員による多数決で議決されるという流れです。
しかし、このような議決に至るまでの議論や過程の多くは、町民の皆さんの目に触れない「委員会」で進められているのが現状です。さらに、各委員会では議案以外にも、担当分野における行政の課題や懸案事項、さまざまな提言が日々交わされていますが、そうした情報も十分に共有されてきませんでした。
議場システムの改修がもたらす変化
こうした課題を受け、令和6年5月に議場システムの大幅な改修が行われました。これにより、各議員の席にマイクが設置され、これまで演壇に立たなければ行えなかった質問や討論を、自席から行えるようになりました。これまで以上に、自由で活発な議論が可能になる環境が整ったのです。
私は、この新しい設備を最大限に活かすために、定例会の本会議だけでなく「全員協議会」や「常任委員会」「特別委員会」なども、本会議場で開催することを提案しています。こうすることで、これまで断片的にしか町民に伝わってこなかった委員会での議論の様子や、議決に至るまでの詳細なプロセスを、インターネット配信や傍聴を通じて広く共有できるようになります。
“見える議会”が信頼と参加を育む
今回の改修では、傍聴席を向いたモニターが新たに2台設置され、発言内容をリアルタイムで文字表示できるようになりました。これにより、聴覚に障がいのある方でも、気軽に議場を訪れ、内容を把握できる環境が整いました。誰もが参加できる“開かれた議会”に向けた、確かな前進です。
また、議員が質問や討論の中で必要に応じて資料を画像で示せるようになったことで、町民の皆さんにとっても、議論の内容がより分かりやすく伝わるようになります。これは単なる「見せ方の工夫」ではありません。町民の皆さんが、議員の発言や政策提案の現場を「見て」「聴いて」「感じる」ことができるようになることは、議会そのもののあり方を大きく変えていきます。
当然ながら、議員にとっては、常に町民の視線の中で発言するということになります。だからこそ、これまで以上に高い緊張感と責任感が求められます。質問や提案には、しっかりとした調査と準備、そして自らの信念を持って臨む姿勢が不可欠になります。この“健全なプレッシャー”こそが、議会全体の質を引き上げる原動力になると、私は考えています。
開かれた議会へ、これからも一歩ずつ
町民の皆さんにとっても、「自分たちの声が町政にどう反映されているのか」「議員は何を考え、どんな提案をしているのか」「町の未来がどう議論され、決まっていくのか」——そのすべてを、直接見届けることができる環境が整いつつあります。
これこそが、私の目指す“開かれた議会”の姿です。すべての町民にとって、議会がより身近で、参加しやすく、そして信頼できる存在となるように。これからも、一つひとつの取り組みを丁寧に積み重ねながら、その実現に努めてまいります。
令和7年度 議会の新たな体制・制度に向けた提案

1. 決算審議の成果を予算に反映する提言サイクルの構築
予算常任委員会と決算特別委員会を統合し、「予算決算常任委員会」として設置。1年を通じて予算と決算を一体で捉えた審議を行い、課題や改善点を「提言書」「意見書」として町長に提出。これを基に、次年度当初予算にどう反映されたかの説明責任を、町側に求める仕組みです。
2. 広報公聴常任委員会の設置による町民との対話強化
現在の議会報編集特別委員会を発展させ、「広報公聴常任委員会」を設置。議会報やウェブサイトの管理に加え、町民アンケートやパブリックコメント、意見交換会の開催など、町民の声を政策に反映させる活動を充実させます。
3. 委員長の責任と役割の明確化
すべての委員会の正副委員長の任期を2年とし、議会の運営方針と目標を明文化。政策提言の実施や町政課題への対応も明確な役割として位置づけ、議会基本条例に規定します。
4. 議選監査委員の廃止と識見監査委員の充実
専門知識を持つ識見監査委員を2名体制とすることで、監査の質と独立性を高め、議会は議会での監視機能に専念できる体制を構築します。併せて、議会としての決算認定意見書や次年度予算への提言書提出も制度化します。
5. 各地区毎の意見交換会
近年、各種団体との意見交換会が主流となっていますが、任期中の4年間で必ず一回は5つの地区館で一般の町民の皆さんとの意見交換会を開催し、議会の政策に反映していきます。
6. 議決すべき事件に関する条例の改正
以下の項目を追加し、町政における重要事項に対する議会の関与をより明確にします。
- 町民憲章の制定・変更・廃止
- 姉妹・友好都市提携の締結・解消
- まちづくりの都市宣言
- 水道ビジョン・健康増進計画・教育振興基本計画の策定・改廃
- 重要な随意契約に関する事項 など
7. 条例提案する議会を目指す
議会基本条例第4条にある「必要な条例の制定」を努力義務にとどめず、任期4年間で少なくとも1本の条例案を議会から提案することを目標として明記。副議長を責任者に特別委員会を設置し、町政課題に応じた調査研究から立案・提出まで一貫して行う体制を整備します。
最後に
議会は、政策の最前線であり、町民の代表機関です。これからの議会は、「チェック機能」だけではなく、「政策提案機能」や「情報発信機能」「対話機能」も併せ持つ必要があります。町民の皆さんの信頼に応えられる、開かれた議会、そして活力ある議会運営を、これからも全力で進めていきます。