

誰もが安心して歳を重ねられるまち
高齢になっても、地域の中で安心して暮らし続けられることは、誰にとっても大切な願いです。見守りや暮らしの支えを広げるとともに、生きがいや社会とのつながりを感じられる場づくりを進め、年齢を重ねても、自分らしい役割と誇りを持って暮らせる社会をめざします。
その人らしく、地域で生きるために
障がいのある方が、安心して暮らし、働き、地域で役割をもてることは、まちの大切な力です。一人ひとりの特性や希望に寄り添い、暮らしやすい環境や働く場づくりを進めながら、誰もがその人らしく生きられる地域社会をめざします。
人と人とのつながりが、地域の力に
地域にあるさまざまな課題を、地域の中で気づき、支え合える関係づくりを大切にし、年齢や立場をこえて、誰もが安心して暮らせるように、支援のネットワークや共助のしくみを育みながら、つながりのあるまちをめざしていきます。
1.「日出町敬老お楽しみ会」の創設
敬老会と老人クラブ“再生”に向けた一歩
令和7年度、日出町内(75行政区)における老人クラブの数は28地区まで減少し、平成25年の55クラブから10年でほぼ半減しています。とくに南端地区では全5自治区でクラブがゼロとなり、その他の地区でも存続が難しくなる中、高齢者の集いの場が失われつつある現状があります。
また、各自治区が主催する「敬老会」も近年は規模縮小が進んでおり、昨年度から補助金が2千円/人に戻ったとはいえ、物価高の影響もあり、開催にはさまざまな工夫が必要であり、主催者である区長さんのご苦労がつきません。
敬老会の工夫に上乗せ補助
こうした中で、これ以上の老人クラブの減少を食い止め、活動を活性化させるために、地域で創意工夫を凝らして敬老会を開催しているクラブには、既存の補助金に加えて500円〜1000円の上乗せ補助を行うことを提案しています。地域に根差した行事を応援することで、身近な「楽しみ」と「交流」の再生を目指します。
すべての高齢者に“楽しみ”と“つながり”
さらに、老人クラブのない自治区に暮らす高齢者の皆さんにも、年に一度は気軽に外出し、人と出会い、心から楽しめる機会を届けたいと考えています。そのため、町主催による新たな取り組みとして、「日出町敬老お楽しみ会(仮称)」の開催を構想しています。この催しでは、落語や漫談、手品、生演奏などの招致も検討し、地域の枠を越えて、高齢者がともに笑い語らう「楽しみの場」をつくっていきます。
これからの高齢者福祉は、生活支援やサロン事業といった日常のサポートに加えて、人生の喜びや社会とのつながりを感じられるような「場づくり」へと広げて行くことが必要です。地域の違いを越え、すべての高齢者が参加できる新しい敬老支援のかたちを、これからも提案してまいります。
2.高齢者の見守り支援
70歳以上の高齢者世帯に、緊急通報装置の100%設置をめざして普及啓発。人感センサーの設置で独居高齢者を見守ります。
3.運転免許自主返納に「一歩踏み出す勇気と安心」
運転免許を自主返納した高齢者が安心して暮らしを続けられるよう、現在提供している1万円分のバス回数券の半額5千円分を商品券に替えることができないか検討します。さらに、返納手続きの際にはデマンド交通で警察署へスムーズに移動できるようにし、返納後は週1回1年間分の無料交通を保証。
また、身分証としても使える運転経歴証明書の発行手数料を補助するなど検討し、経済的な負担をなくすなど、高齢者に「一歩踏み出す勇気と安心」を地域全体で支える新たな支援制度を確立を求めていきます。
4.令和8年度スタート!「重層的支援体制」整備事業
縦割りの支援体制をどう変える?
これまでは、高齢者、障がい者・子ども・生活困窮世帯の相談や支援については、それぞれ担当する課が異なり、相談窓口もバラバラでした。
- 高齢者の相談
→ 地域包括支援センター - 障がい者の相談
→ 介護福祉課(障害福祉係) - 子どもの相談
→ 子育て支援課 - 生活困窮の相談
→ 介護福祉課(地域福祉係) - くらしの相談
→ 社会福祉協議会・民生委員児童委員
このように、分野ごと課ごとに役割が分かれてた、いわゆる「縦割り行政」のため、「たらい回し」になりやすく、複数の困りごとがある人に親身に対応できないという問題がありました。
分野を問わない「ひとつの相談窓口」
令和8年度から本格実施される重層的支援体制は、そうした縦割りをやめて、高齢・障がい・子ども・生活困窮といった分野別の支援体制では対応しきれないような “ 地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズ ” に対応する包括的な支援体制です。困ったときには「一つの窓口(ワンストップ)で、誰でも相談できる体制を整え、地域の支援ネットワークで連携しながら、暮らしを丸ごと支える地域づくりへの転換を目指します。
支援が連携する仕組みの強化
高齢・障がい・子育て・困窮など、分野を横断した複数の相談が出ても、「相談支援」「参加支援」「地域づくり支援」の枠組みの中で、担当者・部署が横断して動ける体制にします。また、問題の深刻化を防ぐために、訪問支援(アウトリーチ)や多機関協働による相談・支援の伴走機能を強化していきます。
日出町の重層的支援体制の課題は?
多くの業務を社会福祉協議会が委託しているが、相談業務やアウトリーチを担える人手が不足しており、本当に現場対応ができるのか不安視されています。
町へ提言する3つのポイント
1.制度と日常業務を「つなげる」
「重層的支援体制」は単独の制度ではなく、現在進行中の「地域福祉計画」や「総合計画」に有機的にリンクさせることが重要。これにより、施設や職員の動き・評価につながり、形骸化を防ぎます。
2.人材配置と研修の強化
社会福祉協議会・地域包括センターに「生活支援コーディネーター(CSW)や地域コーディネーター」を配置し、対人支援のプロを育てる体制が必要。また、その育成費用や配置計画を町が予算化・調整すべきです。
3.「重層的支援協議会」の設置
社会福祉協議会、地域包括支援センター、教育・福祉・医療・地域団体などを巻き込んだ重層的支援協議会を設置し、以下の役割を担う。
① ケース検討と支援方針の協議
② 多機関協働プランの推進
③ 地域資源の共有と活用
④ 関係機関の円滑な連携ルートの整備
5.孤立・孤独対策地域協議会の設置
令和4年施行の「孤独・孤立対策推進法」により、国と自治体が連携して「孤独・孤立対策」を体系的に行う体制が求められるようになりましたが、日出町では未だその体制が整備されていません。そこで、町内で孤独・孤立のリスクにある人を早期発見し、地域全体でつなぎ・支え・見守るため、孤立・孤独対策地域協議会の設置を要請しています。
協議会の役割
① 孤立リスクの把握と見守り体制の強化
② 関係機関・団体の連携調整
③ 支援方針の検討と共有
④ 地域資源の活用と情報共有
この協議会は、NPO、社協、医療や教育、警察など、官民多様なステークホルダーで構成し、孤独・孤立への支援方針や実施体制を協議・調整。重層的支援協議会と連携しながら、地域ぐるみの支援体制づくりを目指します。
6.シルバー人材センターで働く方の所得向上と役務の優先調達
高齢者の経験や知識を地域で活かすため、日出町ではシルバー人材センターを活用し、町が発注する業務(除草・清掃・農地管理・子ども教室支援など)について、特定随意契約による優先調達を提案しています。これにより、高齢者会員の就業機会を拡大し、安定した収入の確保や生きがいづくりを促進。加えて、事業設計や現場運営にも高齢者の意見を反映することで、シルバー人材センターの主体性や持続可能性を高めることをめざします。
7.障がい者就労施設の持続可能な運営と利用者の賃金向上
障がいのある方々が地域で自立した暮らしを続けていくためには、安定した収入を得られる就労の機会を確保することが不可欠です。その実現には、障がい者の雇用を支援する制度の整備に加えて、福祉的就労の場となっている障がい者就労施設が、継続的に仕事を受けられる環境を整えることが大切です。
7.災害時「命を守る声」を確実に届けるために
日出町内には、防災行政無線(屋外スピーカー)の音声が屋内で聞こえづらい地域が多数存在し、以前から住民の皆さんから改善を求める声が上がっています。
南海トラフ地震や記録的豪雨など、災害リスクが高まる今、命を守る情報が届かない世帯をなくすことは、町の重要な責務です。
全戸配布が理想ではありますが、まずは優先すべき対象があります。
それは、土砂災害・津波災害警戒区域に住む高齢者世帯や、要介護3以上・重度障がいのある方がいる世帯など、避難行動に支援が必要な方々です。スマートフォンなどの情報端末を使えない世帯に対し、防災無線の屋内受信機を無償で貸与する制度を創設すべきと考えます。
防災と福祉をつなぎ、情報弱者をつくらない町へ。