「埋葬は火葬」とする請願(1)「賛成一人」

「埋葬は火葬のみ」をめぐる議会での議論
令和7年6月定例会に、日出町住民4名の連名により、「埋葬は火葬のみ」とすることを求める陳情が提出されました。本陳情は福祉文教委員会に付託され、審議の結果、「採択」としたのは私一人だけ。
委員会の採決は賛成1、反対6で「不採択」。最終日の本会議でも賛成少数で「不採択」となりました。
公開質問状~回答~意見交換会
この結果を受け、8月には同提出者の方々から、不採択理由に関する「公開質問状」が提出され、再び福祉文教委員会で取り扱いを協議しました。9月には、以下の内容を書面にて回答しています。
「『議会だより』141号に掲載した委員長報告や賛成・反対討論は、誌面の制約により、委員会での詳細な審議経過や本会議での討論内容をすべて掲載することができませんでした。
そのため、議論の経過が十分に伝わらなかったことを申し訳なく思っています。
そのうえで、賛否双方の意見を含めた正式な記録である『議事録』をご確認いただくことが、最も正確で適切であると考えています。」
さらに10月には、福祉文教常任委員会と提出者との意見交換会を実施しました。私はこの場において、改めて前回6月定例会で「趣旨採択」と判断した理由について説明しました。
陳情から請願へ ―― 再び示された町民の意思
そして12月、同じ提出者から、賛同者の署名を添えて、陳情とほぼ同内容の「請願」が、改めて議会に提出されました。
【請願名】
埋葬に関する条例を「火葬のみ」とする改正又は新規制定を求める請願
【請願事項】
日出町の埋葬に関する条例を改正し、今後の埋葬は火葬のみを認めること、あるいは新たに「埋葬は火葬に限る」とする条例を制定すること。
12月11日 福祉文教委員会での判断
本請願は、12月11日に開催された福祉文教委員会で審議されました。
委員会では、「本請願の内容は前回の陳情とほぼ同じであり、取り巻く状況も大きく変わっていない」との理由から、不採択とする意見が大勢を占めました。
私は、前回とは状況が変化しており、改めて調査・研究を行う必要があるとして「継続審査」を提案しましたが、その思いは届かず、委員会で「採択」としたのは、今回も私一人。
委員会審査の結果は、再び賛成1、反対6で「不採択」となりました。
最終判断は本会議へ
最終的な採決は、12月19日の定例会最終日に開催される本会議において、議長を除く全議員の多数決で決めます。
私は前回同様、本会議で賛成討論を行い、出席議員に理解と同調を呼びかけます。
以下は、その賛成討論の全文です。(次回は分かりやすい表現で投稿)
『請願第4号 埋葬に関する条例を「火葬のみ」とする改正又は、新規制定を求める請願について賛成討論を行います。
去る6月定例会に提出された陳情は、「議会において、ご検討をいただきたい」という文面から、審議を付託された福祉文教委員会が条例改正案を発議し、議会自らが議決を行うことを求める内容であると受け止めました。
そのうえで私は、本件が、住民の生活環境や公衆衛生、土地利用、さらには宗教的配慮といった、多岐にわたる行政分野に直接影響を及ぼす、いわば行政実務型・執行型の条例であることから、その性質上、町長および執行部との緊密かつ慎重な調整を要するものであると考えました。
また、当時は、別府ムスリム協会との協議が進んでいない状況であり、そうした中で、議会が先行して一律の規定を条例として定めることは、かえって、行政の柔軟な対応を縛り、問題解決を複雑化させる懸念すらあるとの判断でした。
そのため、まずは町長および執行部が、別府ムスリム協会との関係調整を行い、法的、社会的、文化的、地理的な要素、そして町民の皆さんの声を総合的に踏まえた、最終的な対応を決定していくことが最適であると考え、6月定例会においては、陳情の趣旨には共感を示しつつも、「趣旨採択」とする判断をいたしました。
しかしながら、それから半年が経過した現在に至るまで、別府ムスリム協会との調整は一向に進んでおらず、執行部からは、問題解決に向けた具体的な方向性すら示されていないのが実情です。
そのような状況の中、議会では、8月に陳情提出者から公開質問状を受け、9月にはその回答を配布し、10月には提出者代表の方との意見交換会を開催するなど、継続的に協議を重ねてまいりました。
そして今回の請願。提出された本請願は、6月の陳情内容をより精査したものであり、さらに多くの署名が添えられ、陳情から請願へと形を変えて提出されたものであります。
よって、この経緯を踏まえれば、本件が町民の皆さまの強い関心と問題意識を背景にしていることは明らかであり、議会として重く受け止める必要があると考えます。
また今回は、議会だけでなく、執行部に対しても同様の要望書が提出されています。こうした一連の経過から、本件は半年前よりも、確実に一段階進んだ局面に入っていると認識すべきであります。
そこで、今回の請願に対する私の見解を、二点申し上げます。
まず一点目は、執行部に対して同内容の要望書が提出されているという事実を踏まえれば、議会が請願を採択するということは、請願事項の実現に向けて、執行部に対して議会が正式に働きかける意思を示すことであるということです。
請願が採択されれば、執行部は議会の議決を重く受け止め、請願に込められた思いを最大限尊重し、制度の具体化や将来への影響について責任をもって本格的に検討し、判断するとともに、要望書に対しても真摯に回答することが求められます。
二点目は、仮に今後もこの半年間と同じように、何ら具体的な進展が見られない場合には、請願を採択したことで、冒頭に申し上げた行政実務型・執行型の条例であったとしても、議会あるいは委員会の提案による条例改正に踏み込むための大義ができると考えています。
いうまでもなく、墓地や埋葬の在り方は、公衆衛生や生活環境に関わる極めて重要な問題です。
だからこそ、法や条例、ガイドラインなどの解釈において、「その都度、その時々のトップの判断」に委ねるのではなく、あらかじめ町としてのルールを明確に定めておくことが必要です。
実際、大分県内のN市においては、「墓地埋葬等に関する法律施行条例」に埋葬禁止地域の条項を盛り込み、その第1項で「埋葬禁止地域を指定し、細則で埋葬禁止地域を市内全域」と規定しています。そして、第2項では「禁止地域では焼骨その他規則で定めるもの以外のものを埋葬してはならない」と規定しています。
「その都度、その時々のトップの解釈や判断」ではなく、公衆衛生と住民生活を守るために、「条例で基準を明確にする」ということを実行しているということです。
今回の請願は、特定の人や団体を対象とするものではなく、「条例で基準を明確にする」ことで、将来にわたって、町民の皆さんにとって分かりやすく、説明できる制度を求めるものであると考えています。
以上を踏まえ、
私は、本請願について、町民の皆さんの思いを最大限尊重しつつ、まず、「採択」することで、町に対して本格的な検討と判断を強く求めるため、「限りなく採択に近い趣旨採択」、採択・不採択の二者であれば「採択」とすることが、現時点において最も責任ある議会の対応であると考えます。』


