火葬条例に関する安部町長の考えを問う

令和8年3月定例会一般質問の主旨
上位法がある中で、町独自の判断はできるのか
安部町長は、
「上位に墓地埋葬法があり、条例をつくっても効果に疑問がある」と発言しています。
墓地埋葬法は、
地や埋葬を無秩序に行わせないこと
公衆衛生を確保すること
埋葬や改葬の手続を定めること
について枠組みを定めた法律です。
一方で、「土葬を全国一律で認めるとか禁止する」というような、埋葬方法を細かく規定している法律ではありません。
実際に条文を見ても、墓地の経営や埋葬・改葬にも市町村長の許可を必要とし、最終的な判断の権限は、市町村長に与えられています。
つまりこの法律は、
国が一律に結論を出す仕組みではなく、地域の実情に応じて判断することを前提に設計された法律です。
そして最も重要なのは、
条例で具体的に中身を定めることを禁止していないという点です。
実際に、中津市では
条例で「公衆衛生その他公共の福祉を維持するため、埋葬禁止地域を指定できる」と定め、
細則で「埋葬禁止地域は市内全域とする」と規定しています。
これは国の法律に反しているわけではなく、むしろ、法律が市町村に委ねた判断を、条例と細則で明確にしているということです。
したがって論点は、
「上位法があるからできないという問題ではなく、上位法が委ねている範囲について、日出町として明文化する意思があるかどうか」という問題だ考えています。
「法律が枠を示し、市町村が地域の実情に応じた具体的な内容を定める」という、その役割分担の中で町としてどう整理するのか。
それが今回の本質だと思っています。
トップの判断に任せ続けるのか
また、安部町長は、
「公共の福祉や公衆衛生などを見て、その時のトップが判断すべきだ」と発言しています。
確かに柔軟さは大事ですが、制度がなければ判断はどうしても人に依存することになります。
事実、日出町ではトップが代わることで180度方向性が変わっています。
一方で、中津市は制度で整理しているからこそ、トップが代わっても仕組みは変わらないという事実があります。
日出町でも将来に向けて、トップの判断ではなく、制度で安定させるべきだと考えています。
個人の自由と地域全体の責任
また、安部町長は、
「憲法上の個人の自由や宗教的配慮から、火葬条例には慎重であるべきだ」と発言しています。
確かに、信仰や埋葬に関する思いは尊重されるべきであり、そこを否定するつもりはありません。
しかし、埋葬は私的な行為であるだけでなく、土地利用や公衆衛生、周辺環境に影響を及ぼす行為でもあります。
だからこそ法律は、市町村長の許可制にしているのであります。
問題は、自由か規制かという対立ではなく、どう整理するのかという行政の責任だと考えています。
すでに町内には、現行制度のもとで土葬が認められてきた事例もありますが、では今後はどうするのか。同じような申請があったとき、どう判断するのか。
何も基準がなければ、
「前は認めたのに、なぜ今回は違うのか」
という疑問が生じて、そのたびにトップの判断に委ねることになります。
「既存のものは既存のものとして整理し、将来については町としての考え方を明確にする」
まさに、その線引きを制度として示すことが、行政の責任だと思っています。
自由を守るためにも、地域全体の安心を守るためにも、判断の枠組みを明らかにすることが必要であります。
それを個人の裁量に委ね続けるのか。それとも町として明文化するのか。
私はその姿勢を安部町長に問い質したいと考えています。


