大神漁港(魚市場)再整備
「魚の駅 大神(仮)」の整備を提案

◆ 朝市が、町の元気をつくる場所に
日出町が誇る漁業の中心・大神漁港では、地元の漁師さんによる朝市がほぼ毎日開かれ、町民の皆さんや観光客でにぎわっています。
朝どれの魚を求めて人が集まり、会話が生まれるこの場所は、「海の恵みと人の出会い」が広がる大切な地域資源です。
◆ 広がる取り組みと新たな課題
近年は来場者数が横ばいで、第2期「浜の活力再生プラン」で取り組んできた漁船クルーズや体験ツアー、修学旅行の誘致なども、一定の成果を上げつつ次の展開が必要な段階に来ています。
今年6月には初めて、東京の高校の修学旅行生約50名を受け入れ、朝市見学や漁船クルーズ、新鮮な魚を使った朝ごはんは大変好評でした。
ただ、今回は生徒さんの希望で屋外での食事となりましたが、直射日光の下での対応となったことから、より快適な受け入れ環境が必要だと感じました。
今後、小中学生の教育旅行や団体ツアーなど幅広い受け入れが増えることを見据えると、安心して滞在できる「場」の整備が重要になります。
◆ 体験と交流の新しい地域拠点
そこで私は、現在の朝市・漁港エリアの機能を大きくリニューアルし、「魚の駅 大神(仮称)」として再整備することを提案しています。
目指す施設イメージ
- 天候に左右されない、屋根付きの飲食・交流スペース
- 修学旅行や観光客が体験できる調理・加工・食育施設
- 地元産品のPR・販売・発送まで担う直売・交流拠点
こうした機能を整えることで、朝市の魅力をさらに高め、漁業の所得向上、観光振興、地域経済の活性化につなげることができます。
さらに、
「獲る」→「加工する」→「販売する」→「体験へとつなげる」
という流れを一体で実現し、漁業の6次産業化を本格的に推進できるようになります。
◆ 資金も工夫して整備
こうした整備を実現するためには財源の確保が不可欠であり、現在、以下の制度活用を調査・研究しています。
- 農山漁村振興交付金(地域資源を活かした交流施設づくりに活用可能)
- 水産業競争力強化施設整備事業交付金(漁業者の所得向上に資する整備)
- 地方創生の第2世代交付金
※日出町が「SDGs未来都市」に選定されたことで活用が期待できる制度
さらに、 また、こうした施設整備を進める際には、漁協や漁業者の負担を最小限にするため、クラウドファンディング(CF)による資金調達も有効な手段です。近年では、ふるさと納税型のCFを活用して全国から寄付を募り、地域住民と観光客が一体となって「自分たちの港」を再生する取り組みが各地で進んでいます。
地元の皆さんの負担を少しでも軽くするために、クラウドファンディングの活用についても調査・研究を進めています。
(※ふるさと納税型CFの場合、町民は寄付できないなどの制度上の注意も踏まえて検討中)
◆ みんなでつくる「未来の港まち」
朝市を軸とした新しい交流拠点ができれば、漁業、観光、教育、地域産業がつながり、町全体の活力が大きく広がります。
今後も、漁協の皆さん、観光関係者、町民の皆さんと力を合わせて、地域の宝である大神漁港を、次の世代へ誇れる形で引き継いでいきたいと考えています。


