日出町 日本一のまちづくり条例(1)

きっかけ:議会での提案(森昭人の一般質問)
令和7年3月定例会において、私は、町長の発信する「日本一誇れる町」「日本一暮らしやすい町」といった表現に触れ、「その真意が町民や職員に十分伝わっていないのではないか」と問題提起。
さらに、「日出町には自治基本条例がなく、この際“日本一のまちづくりを目指す”ことを理念に掲げた条例を制定してはどうか。オンリーワンではなく、あえてナンバーワン(日本一)という言葉を使う町長の真意を、町民全体と共有するために、理念と行動指針を明文化すべきだ」と提案。
町長の答弁:あえて“日本一”という言葉を掲げる理由
安部町長は、
「人口減少、若者の流出、働く場の不足など日出町が直面する構造的課題に対して、あえて“日本一”という目標を掲げることによって、自信と希望、注目と活力を取り戻す効果がある」
「町民が『うちは日本一』という思いを持てれば、幸福度も上がるし、企業や移住者にも選ばれる町になる。具体的な政策目標として“日本一”は必要だ」
「その上で、今回ご提案いただいた『日本一のまちづくり条例』は、我々の熱意を内外に伝える具体的で有効な政策であると感じている。議員の皆様や担当課とともに、制定に向けて検討してまいりたい」
と答弁。
意識や空気を変える「エンジン」としての条例
北海道ニセコ町のような、条例の上位に「まちづくり構造図」があり、計画・評価・条例が精密にリンクする形式も一つの理想ですが、それは「制度設計重視型」です。 私がめざすのは、単に「組織運営のルール」を定める堅苦しい規範ではなく、「行動喚起型」の自治基本条例。
✅ 町の方向性を、誰もが一目で理解できるように明示
✅ 町民の皆さんや職員の方々が「自分たちの町をもっと良くしよう」と思える空気づくり
✅ 「できることをやろう」と前向きな文化づくり
✅ 「挑戦」や「独自性」が尊ばれるまちづくりへの転換
✅ 小さな成功体験を共有し、「やればできる」を町内に広げる
こうした“温度感”のある条例づくりは、令和の時代の流れにも沿っていると考えています。日出町にとって今必要なのは「構造図のような制度設計」よりも、意識や空気を変えるエンジンとしての条例です。
策定に係る有識者懇談会
令和7年7月25日、策定に係る第1回有識者懇談会が開催され、議会の代表として私が出席しました。
町長が開催する有識者懇談会の位置づけは、あくまで「町長の付属機関」や「意見聴取の場」であり、議会は本来、執行部から独立した立場なので、議員が公式メンバーとして入ることを疑問視する意見があります。形式論としては一理ありますが、これは「議会はチェック機関なのに、執行部と同席して方針づくりをするのは越権だ」という古典的な見方です。
今回、私がこの懇談会の議長推薦による出席を承諾したのは、
- もともと私の(森昭人)の一般質問・提案が発端であること
- 協働による日本一のまちづくりを掲げている条例の趣旨そのものであること
- 懇談会も、形式的な審議会でなく任意の意見交換の場であること
という考えのもと、むしろ、条例の核心理念である「町民・議会・町長等の協働による日本一のまちづくり」を自ら実践すべきと思ったからです。また、この懇談会は公式な意思決定機関ではなく、町民協働の象徴的な場であり、議員の参加は、議会の意思決定権限を侵さず、むしろ町民と議会の橋渡し役になると考えています。
懇談会は、午後3時から90分間、政策企画課から示された、「日出町日本一のまちづくり条例・素案」について、出席した皆さんそれぞれの立場から貴重な意見をいただきました。
「日本一のまちづくり」って、何が“日本一”なのか?
(1)ハコやインフラが“日本一”?
いいえ。日出町は、財政規模も人口も面積も限られた町です。巨大な投資や施設で日本一を目指すことは、現実的ではありません。
(2)では、何を“日本一”に?
私が考える「目指すべき日本一」は、“質”や“気持ち”の分野にこそあります。それは、町のハードではなく、人の姿勢・関わり方・誇りの持ち方です。
4つの視点で整理すると:
① 【挑戦・前向きさ】
・「まずやってみる」自治体文化
・国や県の支援に頼るだけでなく、町ならではの知恵と想いで一歩踏み出す力
② 【協働・共創】
・町民・議会・行政がともに動き、まちをつくる力
・声を聴いて終わりではなく、政策の形成から実行までを“共に進める”姿勢
③ 【誇り・幸福度】
・規模や所得ではなく、「ここで暮らすことに誇りを感じる度合い」が高いまち
・「うちは日本一のまち!」と自然に言える、満足度の高い日常の充実
④ 【自治の成熟度】
・町民は“お客さん”ではなく“プレイヤー”
・地域や制度の運営に当事者として参加し、自らのまちをつくっていく文化
つまり「日本一のまちづくり」とは?
「町民・議会・町長・職員が、それぞれの立場から挑戦・協働し、誇りと幸福を実感できる町をつくる力・風土で日本一をめざすこと」
私はこの考え方をもとに、第2回懇談会に臨む予定です。(出席依頼があればの話ですが・・・。)
なお、素案・修正案・成案は、公表できる段階で随時このホームページに掲載していきます。